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ラッドエンターテインメント代表取締役、ヘッド・バーテンダーの山本圭介さんのインタビュー
フレアの大会で12回優勝、日本代表として選ばれ海外の大会にも出場された経験を持つ山本さん。横浜「Dining & Flair Bar NewJack(以下、ニュージャック)」、京都「BEE´S KNEES(以下、ビーズニーズ)」、新宿「Jeremiah Tokyo(以下、ジェレマイア)」と3店舗を展開、フレアバーテンディングが体験できる施設「横浜フレアアカデミー」も開業されている。

「思いついたことはやろう」止まらずに模索し続ける

未体験であれば、VR(バーチャル・リアリティ)はまだ遠い世界かもしれない。ゴーグルを付けると目の前に広がる、臨場感あふれる映像。海外ではバーを舞台にしたVR動画がアップされているが、国内のバーでVRを使い、商品として作り上げたバーテンダーがこれまでにいただろうか?
フレアバーテンダーとして活躍するラッドエンターテインメント代表取締役、ヘッド・バーテンダーの山本圭介(やまもと けいすけ)さんは、以前から考えていたVRの商品化を今回の自粛中に実現した。VR以外に始めたことも含め、たくさんのアイデアが山本さんの頭の中にあるようだ。(取材・文 いしかわあさこ)

VRはカクテルメニューになり得る


―5月末に、ニュージャックのVRコンテンツとしてフレアショーの販売を開始されました。以前からVRの構想を練られていたのでしょうか。

タイ・プーケットへゲストバーテンダーで訪れた際、ティキバーへ立ち寄ったんですよ。こういったリゾート地、常夏のティキバーでフレアバーテンディングは似合うなと思いました。でも、日本で一年中ティキバーのスタイルが受け入れられるかといったら、なかなか難しいですよね。そこで、現地の雰囲気を感じられるようなVR動画をお客さまがご覧になりつつ、ティキカクテルを飲むというスタイルはどうかなと考えました。“VRカクテルメニュー”としてプーケットだけでなく、例えばヨーロッパの寒い国など、その土地に合わせたカクテルをご提供すれば季節問わず楽しめますよね。
時々お客さまにクラシックカクテル発祥の地で飲んだときの話をするのですが、VRでパリのハリーズバーの映像をご覧になって頂きながら実際に同じレシピでカクテルをお出しできたら、もっと伝わるんじゃないかと。ただ、当時はどんな機材が必要なのかもわかりませんでしたし、ぼんやり将来のバーはこうなるのかなと考える程度でした。一般的な動画も良いですが、VRのほうがその世界観をより感じられますよね。

1980年代に広まったカクテル「ロングアイランド・アイスティー」をニュージャック風にアレンジした一杯。自家製のコーラシロップとバタフライピーをフロートさせた2層の色合いが美しい。

―360度撮影するには専用のカメラが必要だと思いますが、どんなものを使われていますか? また、撮影時に工夫されていることは。

「GoPro MAX」を使っています。とてもコンパクトで画質が良く、防水仕様になっているのでサーファーの方たちも使っているみたいですね。フレアの大会ではバーカウンターに設置して、自分の映像を記録用に収めるバーテンダーも多いです。撮影した映像は、デザインチームが編集ソフトでVR仕様に。正面だけでなく360度撮影できることを活かして、表現や演出方法などの工夫をしています。
フレアショーはカウンターがメインですが、ぐるっと後ろを振り向くと客席の後ろにもバーテンダーがいて、そこでもフレアをしていたりとか。実際にお客さまが目の前にいらしたらボトルをその方向に投げたり、火を吹いたりすることはしませんが、VRはカメラに向かってそういうことが可能になります。バーテンダー同士でボトルを投げ合うのも、お客さま側から見ればボトルが左右に移動しているだけですが、VRならお客さまの頭上を超えるように投げることもできますよね。お誕生日のプレゼントだったら、「〇〇さんお誕生日おめでとう」という文字がバーのどこかに貼ってあったり。スタッフのひとりがキッチンからずっとカウンターを覗いているとか、クスッと笑えるような細かいことも含め、エンターテインメント性は大事にしたいなと。1回目と2回目で見る角度や見方を変えれば新しい発見がありますし、最低でも3回は楽しめるようにしています。ライブで見るのとはまた違った感覚、360度で見せることの意味を考えながら、VRならではの楽しさを伝えていきたいですね。

自宅をニュージャックにできるセット


―VRの内容はオーダーメイドできるんですよね。これまでにどんなご注文がありましたか? 今後、VRにどのような可能性があるでしょうか。

ライブで行うフレアショー同様、お誕生日のプレゼントとしてご注文されることが多いです。これから入学や卒業、成人、就職、結婚などお祝い事でのオーダーが増えるのではないでしょうか。あとは遠方でなかなか来られないお客さまや、フレアショーを見てみたいから、というご注文もありました。VRはオーダーメイドですから、世界にひとつだけのプレゼントになります。一過性のものではなく、商品、ビジネスとして成り立つよう、お客さまに喜んで頂けるものを作っていきたいですね。
今後は、先ほどもお話したようにクラシックカクテル発祥の地や蒸留所の映像など、さまざまな可能性があると思います。フレアの大会は海外でもよく開催されるので、その土地のバーやカクテルを写真や動画ではなくVRでご覧頂けたらいいですよね。カメラを頭に付けてバーテンダー目線でカクテルメイキングが見られるようにしたり、やり方次第で技術指導もできるのではないでしょうか。

―自粛期間中にBASEでネットショップを開設されて、VR動画だけでなくオリジナルグッズも販売されました。

オリジナルグッズに関しては、以前からあったものをBASEで販売し始めました。Tシャツはお店に着てきてくださったり、フレアの大会で着て応援してくださるお客さまがいらっしゃいます。グラスに「Newjack to go」などの文字が彫られているのは、ご自宅にニュージャックを持ち帰って楽しんで頂きたいという思いから。ニュージャックのTシャツを着て、VRを見ながらテイクアウトしたドリンクやフードを楽しんで頂けたらその場がニュージャックになりますよね。自粛中で外出できないなら、“自宅をニュージャックにできるセット”を作れたらと。
それから、ニュージャックオリジナルのメニューブックを3月から販売しています。海外のバーでもメニューブックが販売されていて、お土産に買っていたのでそれを参考にしました。ページごとにコンセプトを変えて、オープン当時から人気のカクテル、映画から流行したカクテル、2020年のトレンドモクテル、スタッフが好きなカクテルトップ10など、特にカクテルをあまり知らない方に向けてどうしたらカクテルを楽しんで頂けるか、わかりやすく注文しやすいかを考えました。

ズベリーフレーバーのバブルを乗せた「ボニータ・アップルバム」は、ニュージャックオリジナルのメニューブックで“NEW SCHOOL FANCY”カテゴリとして紹介されている。

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