東京・神楽坂でバーを営む店主が集まって立ち上げたプロジェクト「SAVE BARS in 神楽坂」が、5月末にクラウドファンディングの募集を終え、目標金額を達成した。参加店舗の募集からプロジェクトの申請、審査、拡散、支援者とのやり取りなど、成功への道のりを実行委員のひとりであり中心となって動いた「Bar夢幻」の松永無限(まつなが むげん)さんに伺った。(取材・文 いしかわあさこ)
店舗数を抑えてプロジェクトチームを結成
―プロジェクトチームは11店舗が集まりました。チーム結成までの経緯を教えてください。
4月初旬、あるバーのオーナーさんから一緒にクラウドファンディングを立ち上げないかと連絡があって動き始めました。まず何店舗集めるかを話し合って、多くても15店舗ほどにしようと。店舗数をある程度抑えたほうが意見などがまとまりやすく、プロジェクトが早く始められると考えたんです。それからFacebookやInstagramを活用したり、個人的に直接連絡したりして「神楽坂BASIC」の瀬口さんと声をかけていきました。すぐに参加表明をしてくださった店舗が、ほぼ今のプロジェクトチームですね。検討したけれどお店のコンセプトに反するから止めておくとか、協力金や融資を受けられることになったから一人で頑張ってみるといった理由で辞退された方々もいらっしゃいます。企画自体は比較的前向きに捉えて頂けたようで、参加しなくても情報発信に協力してくださったり、中にはクラウドファンディングの支援をしてくださった方もいました。バーだけでなく、ほかの飲食店からも幅広く募集して店舗数を増やしたほうがいいというご意見もあったのですが、まとめられる自信もなかったですし、僕たちの意図と異なるので当初の予定どおりバーだけで店舗数も抑えてのスタートとなりました。
―様々なクラウドファンディングのサイトがある中で、CAMPFIREを選んだ理由は?
クラウドファンディングを立ち上げた経験がなかったので、プロジェクト数が多く、有名なサイトのほうがさまざまな点で滞りなく進行するのではと思いました。CAMPFIREが実施していた「新型コロナウイルスサポートプログラム」で支援金振込時に掛かるサービス手数料12%がかからなかったことも大きいです。あとは柏市の飲食店がCAMPFIREでクラウドファンディングをされていて、メディアに取り上げられるなどして話題になっていたのも同サイトを選ぶ理由のひとつになりました。
「ジョニーウォーカー ブラックラベル12年」のソーダ割り。自衛官だった頃、通っていたバーの常連さんがジョニーウォーカーを飲んでいる姿に憧れたそう。